« 人頼みでは、物事は動かない | トップページ | ・・が無ければ、どうなるか?  »

2007年1月25日 (木)

一つの町おこし

伊勢神宮の近くに、「おかげ横丁」がある。すべてが木造の建物で、たくさんのお土産やさんやいろいろな店が軒を連ね、そこにある郵便局まで同じようなつくりになっていて、日本の原風景のような懐かしさを覚える町並みになっている。

観光スポットとしても、全国で注目されるほど集客力のある成功例として見られているが、偶然にその成功秘話に触れる機会があった。

その中心的な役目を担ったのは、伊勢名物の「赤福」の社長さんだそうだが、町全体を昔ながらのつくりにすることを企画し、昔のようにたくさんの参拝帰りの人に立ち寄ってもらえる魅力あるおはらい町づくり(おかげ横丁)を目指されたという。

当時、伊勢神宮に団体で参拝しても、おかげ横丁には立ち寄らずに、バスは二見や鳥羽に行ってしまう。おかげ横丁は閑古鳥が鳴き、廃屋が出来、なんと一時は、一日に一箱のお土産が売れるかどうかというところまで、客足が遠のいた時期があったという。

赤福の社長さんは、自分の店の集客だけを考えたのではなく、町全体として人が集まってきたくなる場所作りを考え、市に掛け合い、さらには反対する町の人たちの前に、自分ひとりでもすると当時の赤福の年商に当たる金額である百何十億円かのお金を借りてでも推進されたという。

この話からは、経営に関する数々の教訓が秘められている。

一つには、物事の始めには反対がつきものであるということ。いいことであっても、必ずしも足並みはそろわない。それを推進していくには、単なる利を超えた信念が必要だということ。

もう一つには、自社の繁栄を望むなら、それよりも一回り大きなものの繁栄を考えること。これが躍進の道に繋がる原点であるが、その実例であるということ。

現在買い物の形態は、スーパーなど大型店舗に押され、町の小売店は青息吐息のところが多いが、自分の店だけ、そして現状維持だけ考えていたら衰退し、潰されてしまうところでも、町全体の繁栄から考えたときには、スーパーでは決して出来ない町おこしが実際に出来るのだということ。小売店だけでなく、企業でもこの考えは、繁栄の原則である。ただ企業の場合は、町おこしという見方とは少し違う視点が必要になる。

おかげ横丁という街づくりの詳しい話は、「伊勢人」という雑誌の154号にのっているので関心のある方はお読み頂きたい。

|

« 人頼みでは、物事は動かない | トップページ | ・・が無ければ、どうなるか?  »

躍進の道しるべ」カテゴリの記事