導きの人 (4)
この時の大隊長こそ、お電話を下さったまさにこのお方なのです。奥様の言われた「部下部下、ドンドン」というあだ名の、面目躍如たるものがあるではありませんか。
それだけに、全国にこのお方の姓をとって、『久保田会』というものが、たくさんあるということでした。それも幹部の方の久保田会と、一般兵の久保田会が全国にあるのですから、そのお人柄が窺えるというものです。
実際に、私がこの方のお家を訪ねている時にも、四国の宇和島の方から、この方をお迎えするために、「家を建て替えるところまでは出来ませんでしたが、すべての畳替えをしましたので、お待ちしております」というお電話がありました。
冒頭の電話は、このお方からのものだったのです。
「久し振りだから、防衛庁の喫茶室でどうかね」
ということで、三日程後に、防衛庁の喫茶室でお会いさせて頂きました。
いろいろとお話をした後、
「ところで、一度家に来ないかね。家内も会いたいと言っているから」
ということで、次の日曜日にお伺いし、それから再び時々お邪魔をするようになつたのです。本当にこのお方のお人柄といい、奥様のお人柄といい、知らず知らずのうちに人の心が惹きつけられる素晴らしいご夫妻でした。
そのうち、この方から、
「少し、神様のことをしてみないかね」
というお話が出るようになりましたが、防衛庁や内閣では、法律を作ったり、国会答弁書の作成のお手伝いをしたりしていたものですから、理屈にかけては人一倍強かったかと思います。
ですから、「神様と言われましても、なかなか信じられません。とにかく、目に見えないものは、わかりませんので」
などと言って、みなさん以上に、強く拒絶をしていたのです。今から考えますと、大変畏れ多いお話です。
しかし、不思議なお話や、不思議な体験をさせて頂いてはいたのです。
例えば、このお方が、
「伊勢神宮にお参りをしてきたけれども、今回は天照大御神様はお留守だった」
などと言われるのです。皆さんは、信じられますか? 私だって、
「そんな馬鹿な。何で神様がいらっしゃったとか、お留守だったなんてことがわかるのだろうか」
と思ったのです。
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