第11話 伝統には、深い意味がある
日本人は、子供のことを「子宝」といい、「神様からの授かりもの」という受け止め方をしてきました。
そして神様に、子供の成長を報告し、健やかな成長を祈る習慣がありました。
だから子供が生れると、命名したわが子の名前を神棚にご報告し、初宮参りや七五三のお祝いの時には、神社に出かけ健やかな成長を祈ったのです。
日本に昔からあるそうした伝統は、神様との大切なふれあいであると共に、お子さんの人生に新しい力を加えて頂く、大事な節目の時でもあります。
「三つ子の魂、百まで」「男女七歳にして席を同じゅうせず」という言葉がありますが、実は深い意味を持っています。
子供さんは、お七夜のときから、三歳の誕生日までは、「神様の懐の中で育てられる」と言われています。
実際には、昼も夜も、おっぱいを上げたり、オムツを替えたり、お母さんにとって、一番手がかかるときですが、そのときに真心をこめて子供さんに接していると、それは当の子供さんより、それを守ってくださる神様が、直接受け取られ、そしてその何倍も神様がお力を加えてくださる時期でもあります。
三歳前の記憶がある人は、ほとんどいないと思いますが、それは神様の懐に入っている時期だからです。
そして三歳の誕生日の時に、神様は、懐からそのお子さんを出して、大地に下ろし、そのときに新たに「三つ子の魂」と呼ばれる力を加えてくださるのです。
そしてそのとき加えていただいた三つ子の魂を七五三の三歳のときに、さらに祓い清めて、清らかに、健やかに、そして力強く育っていかれるようにしてくださっています。
そして五歳で、男の子は、男の魂を、七歳で女の子は、女の魂を授かります。
わかりにくければ、精神的な「男らしさ」「女らしさ」と受け取っていただいても、よいと思います。
生まれたときに、肉体としての男女は決まっていますが、精神的な男女の区別は、この七五三の時に授かるのです。
昔の言葉で「男女七歳にして、席を同じゅうせず」は、今の人が聞くと、とても封建的に聞こえるかもしれませんが、精神面でも、男女がはっきりと分かれるので、本来はそれに合った「男は、男としての」「女は女としての」教育が必要だという意味もあったのではないでしょうか。
単なる伝統行事と思われていますが、今、「男の魂」が入っていないために、テレビでも男の人が、女性の格好でそれを売りにしたり、女性が「女の魂」が入っていないために、貞操感やつつしみという感覚を持たず、援助交際や夜遅く道路で平気で寝てしまったりということが起きています。
いろいろな社会現象をその目で見ていると、「あぁ、なるほど」と思われることは、たくさん出ていると思います。
昔からの伝統行事の中には、その意味を知れば驚くような大事なことがたくさんあるのです。
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