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2011年7月の4件の記事

2011年7月25日 (月)

第16話 山を削って、家を建てるのは大丈夫?

新興住宅地などの中には、山肌を削って、そこに次々と家を建てていますが、果たしてこれは大丈夫なのでしょうか。

日本には、八百万の神様がおられ、土地で見ると、山には山の神様、野には野の神様、田には田の神様がいらっしゃいます。そして人が住んでいる土地は、産土(うぶすな)の神様が、守って下さっています。

ならばどこに家を建てても、神様がいらっしゃるのだからいいじゃないかと思われそうですが、実はそうではないのです。

神様の世界は、権限とその範囲が大変に厳格で、他の神様の領域を侵すことは決してなさられないからです。

山は、山の神様の領域です。木々を繁茂させて、そこに住む動物や鳥などの生き物を育み、霧を発生させて水分を調達させたり、その山があることで、強い風を遮ったり、反対に風を巻き起こしたりして、自然の営みをしています。

ところが山を削ると、山が無くなってしまうわけですから、その部分の山の神様のお力は出なくなります。産土の神様から見ても、管轄外ですから、山を削ったところはそのままですと神様の、守りがない空白地帯となってしまうのです。

神様のいらっしゃらない空白地帯には、俗に言う「悪いもの」が集まってきやすくなります。だから事故や病気、諸々のトラブルなども起きやすい場所になってしまうのです。

一般に、地鎮祭は、その土地の祓い清めをして、工事中の安全を祈願する程度にしか思われていませんが、人が住む家を建てることのお願いをさせて頂くと共に、この場合のように山の神様の領域であったときには、産土の神様に管轄替えをお願いするという大事な意味も含まれています。

ですから地鎮祭をしないままで家を建てると、神様の守りのないところで暮らすことになり、特に山を削って住宅地を作るときには、その辺

り一帯が神様のいらっしゃらない空白地帯となってしまうわけですから、現代のような殺伐とした世の中では、「いつ、どこで、何が起きても不思議ない」ということにもなりかねません。

神様のご存在は、守って頂いている時には、案外気がつきにくいものですが、失ってから慌てるよりも、「常に神様と共に暮らさせて頂く」という気持ちで、家を建てるときなども、きちんと神様にお願いをされたらよいと思います。八百万の神様に守って頂いている日本人なのですから。

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2011年7月18日 (月)

第15話 継ぎ足し二階が、なぜダメか 

既に建っている家の上に、二階を増築することを「継ぎ足し二階」という言い方をします。

家族が増えて、二階を建て増しして、各人に子供部屋などを作ってあげたいという親ごころではありますが、これは可能な限りやらない方がよいのです。

こんな例がありました。子供さんが三人になったので、少し大きくなったときにそれぞれに子供部屋を持たせてあげたいと、二階を建て増ししました。

ところが、それまでは朝までよく寝ていた子供達が、夜、寝た後で起き出しては、次々と階段を転げ落ちてくるということが起るようになりました。

親御さんは、「寝ぼけて、階段を落ちるのだろう」それでは、危ないからと階段の一番上に柵をつけて、子供が落ちないように工夫したのですが、それでも小さな子供達は、どうやってその柵を乗り越えるのか、何度も階段を落ちて来たそうです。

三人の子供達は、二階の子供部屋で夜寝ていると、「怖い夢をよく見るようになった」「お化けを見た」「金縛りによくあう」などと言い出しました。

親御さんは、今まですぐそばで寝ていたところから、個室で暗い中、一人で寝るようになったから怖がるのだろう、そのうちになれるとあまり気にしなかったようですが、まもなく一番下のお子さんにテンカンの発作が出るようになってしまいました。

ひどいときには、気を失いかけるほどの時もあったそうです。親御さんは、発作を見ているときには、なすすべもなく、見ているのが本当に辛くて「何とか生きていてくれさえすればいい」という気持ちであったそうです。

あるご縁で、私が祓い清めを頼まれたときに、原因を探ったら、なんとはじめに家を建てたときに上棟祭をして、大黒柱にお呼びした神々様の頭の上に「継ぎ足し二階」という形で、押さえてしまっていることが分かりました。

上棟祭の時、大黒柱に神様がお入りになられるのは、柱の一番上に近いところです。実際に上棟祭をきちんとしたお家の柱には、屋根裏(柱の一番上ぐらいのところ)に、神様のお守り札などが貼られていると思います。

ところが「14話の 家を建てかえると一家の主が倒れるって本当?」でもお話ししましたが、神様が入られたまま、その頭の上に二階をどーんと乗せてしまう形と成っており、神様が動けない、金縛りのような状態になっていました。

そして神様がお力をお出しすることが出来なくなったために、悪いものがはびこってしまい、このご家庭の場合は、子供さんが怖い夢を見たり、お化けを見たという事が起ったのでした。

ですから「祓い」だけではなく、そのお家の人にもよくお話をして、神様にお断りと、お詫びをしてもらいました。

その家の人たちは、お酒や鯛をお供えして、「知らなかったこととは言え、家を守って下さい、とお願いしておきながら、長い間本当に失礼をしました。」と心からお詫びをされたそうです。

不思議なことにその後、息子さんにテンカンの発作は一度も出なくなりました。その息子さんは、中学生でしたから、家を建てて十年以上、幼いときからのテンカンの持病に苦しんできたことになります。

親御さんが、話された言葉が印象的でした。

「子供達によかれと思って、二階を建て増ししたのですが・・まさかそれが長年の悩みだった、子供のテンカンの発作の原因であったり、怖い夢などで子供達の眠りを妨げているとは、夢にも思いませんでした。こんな事が分かっていたら、たとえ借金をしても、あのとき、家を全部立て替えたのにと思います。」

特殊なお話しのように聞こえるかもしれませんが、継ぎ足し二階に住んでいる方の中には、頭痛持ちや首に問題がある人、そして熟睡できない人、夢見が悪い人は、案外多いのです。

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2011年7月11日 (月)

第14話 家を建て替えると、一家の主が倒れる?

「家を建て替えると、一家の主が倒れる」という話を聞いたことがありますか?

家を建て替えて、やれやれこれで一段落。ところが新しい家に入って、いくらもしないうちに、一家の主が病気になり、入院することになった・・

せっかく家が新しくなったのに、安心といろいろな疲れが出たのだろうか・・ 「そんなこと迷信だ」と思われるかもしれませんが、実は案外多いのです。

家を建てる前には、神主さんを呼んで地鎮祭、上棟祭をします。

皆さんも、これから家を建てるという土地の真ん中当たりを(地鎮祭のために)しめ縄で囲ってある所や、都会では少なくなったかもしれませんが、上棟祭の時に、屋根からお餅などを撒いているのを、見たことはないでしょうか。

これは地鎮祭の時には、家を建てる前の土地の祓い清め等をして、上棟祭(一般には、棟上げといっています)の時に、その家の大黒柱をはじめ、その家を守って頂く神様にお入り頂く為の儀式です。

(詳しくは、『大福運を呼ぶ地鎮祭・上棟祭』住宅新報 ご覧下さい)

しかし家を壊すときには、何もしないで(大黒柱に神様が入られたまま)倒してしまいます。だから家を建て替えた後、一家の大黒柱であるご主人が病気になったり、時には早くに亡くなられるということが起きやすいのです。

だいたい神様が入られたまま廃材にしてしまった後で、「新しい家の方は、神様守って下さい、神様来て下さい」といっても、それは無理ですよね。

家を建てるときには、一家の健康や幸せを祈って神様をお迎えしているのですから、立て替えるときにも「今まで長い間、家族と家をお守り下さってありがとうございました。この家は、立て替えることになりました。どうぞよろしくお願い致します。」というふうに、お断りとお願いをしてから、家を建て替える心遣いは必要なのです。

特別に神主さんをお呼びしなくても、ご家族で長年住んだ家に、お酒などをお供えして、心からお礼を言い、そしてお断りをすれば、大黒柱に神様がお入りのまま壊してしまう事はありません。

家は、一家の健康と幸せの土台となってくれるところ、もし家を建て替えるときには、ぜひそうして下さい。

大黒柱にお入りになられる神様の代表は、一般に『大黒様』と呼ばれている『大国主神様(おおくにぬしのかみさま)』です。

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2011年7月 4日 (月)

第13話 「敷居は踏むな」の意味、知っていましたか?

「敷居は踏むな」という言葉は、昔から言い伝えられていますが、なぜ敷居を踏んではいけないのでしようか。

ただ意味も分からず「敷居を踏んではいけない」と言われると子供さんは余計におもしろがって、ドンドンと踏んでしまいます。

「いけません」と注意すると、子供さんは「どうしていけないの?」と聞いてきますね。でも答えられなくて、「ダメだから、ダメなんだ」では、子供さんは納得しません。

「しきい」を、今のような「敷居」という字を書いていると、その意味は分からないことになってしまいます。

敷居の上は、なんと言うでしょうか。最近はあまり聞かれなくなったかもしれませんが、「鴨居」と言います。

「鴨」という字の「甲」のところの真ん中の棒を短くすると「田」になります。そして田の鳥と書くと「鴫(しぎ)」という鳥になります。

つまり「敷居」と読んでいるところは、本当の意味は「鴫居」です。

「鴨」も「鴫」も、どちらも水鳥です。上側は、「鴨居」ですから、「鴨」がおり、下は、「鴫居」ですから、「鴫」が居て、その水鳥が、上と下から現代的なスプリンクラーのように、その家を火災から守って下さるのです。

元々の日本家屋は、木造建築が主でしたし、さらに障子や襖などは紙で作られていましたから、とても火災に弱い作りでもありました。

その為、防火の神様として、水鳥にたとえ、その家を火災から守って下さっていたのです。ですからその防火の神様の居る敷居を踏んだりしますと、神様がその敷居からお離れになってしまいます。それで「敷居を踏むな」と言い伝えられてきたのです。

ちなみにこの防火の神様は、「みずはのめの神様」と言い、龍田大社の神様です。

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