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2011年9月26日 (月)

第25話 鵜葺屋葺不合命(うがやふきあえずのみこと)様

神様のお名前が次々と出てくると、皆さんは難しいと感じられると思いますが、お名前は覚える必要はありません。何回か聞いているうちに、自然に覚えますから、無理に覚える必要はありません。

山幸彦様(火遠理命様・別名穂々手見命様)と結婚された豊玉姫との間に生まれたのが、鵜葺屋葺不合命(うがやふきあえずのみこと)様です。

鵜葺屋葺不合命(うがやふきあえずのみこと)様は、お生まれになるときに、まだ産屋の屋根の葺き替えが出来終わらず、大急ぎで屋根を鵜の鳥の羽でおおった中で誕生されたところから、このお名前がつきました。

昔は、人の生死をとても神聖なものとして扱っていました。今では、とても考えられないことかもしれませんが、人が亡くなるときには喪屋を作り、誕生するときには産屋を住まいとは別に建てて、そこで亡くなった人をお送りしたり、赤ちゃんの誕生を迎えたりしたのです。

豊玉姫は、その出産の時に、産屋がまだ出来ておりませんので、山幸彦様に、「自分がお産をする姿を見ないで下さい」と申し上げたのですが、人は「見るな」と言われると見たくなるのですよね。黙っていればよかったのですよ。わざわざ「見ないで下さい」と言うから、覗き見をしたくなるのです。

そうすると、産屋の中で豊玉姫様は、鰐の姿でのた打ち回っているところを見られてしまったので、豊玉姫は泣き泣き竜宮城と言いますか、海の中に帰ってしまわれたのです。

その時に、「産まれたこの子が育たないといけない」というので、自分のお乳を岩にくっつけて帰っていったというのが、鵜戸神宮にある『お乳岩』で、今でもそこから水が滴り落ちております。

宮崎地方では、そのお乳岩の水を使った『お乳飴』を、出産の時に舐めると、

「お乳がよく出る」ということになっていますし、地元では『鵜戸さん参り』と言って新婚さんはしゃんしゃん馬に乗って、鵜戸神宮を参拝する風習があり、このことが民謡にも歌われています。

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