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2011年11月14日 (月)

第31話 鹿島神様のご神徳

鹿島の神様は、武の神様です。それまで何人もが出かけて成し遂げられなかった「国譲りの談判」を成功させ、後の「天孫降臨」に結びつけた神様です。

国譲りの談判の中では、出雲の地、稲佐(いなさ)の浜が舞台ですが、そこに鹿島の神様は、国を譲ることは出来ないと立ちはだかったタケミナカタの神様(現在の諏訪神社の神様)の前でその浜に刀を突き立てて「国を譲るのか、如何に」と相対しました。

タケミナカタの神様は、力の強い神様でしたので、「いっそのこと力比べをして、決着をつけよう」と鹿島の神様の手を掴みましたが、たちまちそれが氷の柱となり、また剣の刃と変わってしまったと言われています。タケミナカタの神様は、とても叶わないと諏訪の地まで逃げて、国譲りを承知しました。

そして「天孫降臨」がなされましたが、鹿島の神様のご神徳は、その後にもあります。

さらに時代が過ぎて、神武天皇や皇軍が、熊野に行ったときに、悪い者に毒気を当てられて、苦しんでおられるときに、高天原の神様(高木神様と天照大御神様)から、鹿島の神様に『葦原中津国は、ひどく騒がしいようである。わが御子達は、病み、悩んでいるらしい。あの葦原中津国は、もっぱらお前一人が平定した国である。だからお前、建御雷神(鹿島の神様)が降るのがよろしい』と仰せになりました。

鹿島の神様は、それにお答えして、

「私が、降らなくても、もっぱらあの国を平定した太刀がありますので、この太刀を降しましょう。この太刀を下界に降ろそうとする方法は、高倉下(タカクラジ)の所の蔵の棟に穴を開けて、そこから落とし入れましょう。」と申し上げました。

そしてタカクラジに向って「朝起きがけに、良いものを見るというように、お前がその太刀を見つけ、持って参って、天津神の御子に献上しなさい」とお伝えになりました。

タカクラジは、翌朝、夢のお告げの通り、ご自分の蔵を見ますとまさしくその太刀がありました。

そしてタカクラジが、一振りの太刀を持って神武天皇のところにいき、その太刀を高く捧げたところ、倒れていた人が次々と起き上がったと言われています。

この太刀は、布津御魂の剣(ふつのみたまのつるぎ)で、石上神宮のご神宝です。

武の神様だから、開発、開拓が出来るのです。

物事のはじめには、道がついておりません。そして行く手を遮る悪いものなどもたくさんいます。それを平定して、後から来る人が滑らかに進むことが出来る様に道をつけることも、武の神様ならではです。

神様の世界でも、『鹿島立ち』と言って、まず鹿島の神様にお参りします。

私達も大事な行事の前には、「鹿島神宮」に参拝してから始めることが多いのです。

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