第38話 鏡餅と鏡開き
明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。
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お正月に飾った鏡餅は、「鏡開き」をしてから、お汁粉やお雑煮などにして食べます。
鏡開きは、武家の風習から始まったもので、切腹などに通ずる餅を「切る」という言葉を避けて、木槌などで「開く」ようになったとされ、お正月に供えて「歳神様のお力の籠もった鏡餅を頂く事で、一年の無事息災を約束される」と言われています。
一般に鏡開きは、十一日にすると思われています。
もともとは二十一日に鏡開きをしていましたが、徳川三代将軍家光が四月二十日に亡くなったので、この日を避けて十一日に鏡開きをするようになったからだそうです。
しかしこの元々にしていた『二十一日が、鏡開きをする日』です。その理由をお話しします。
鏡餅は、上と下に重ねて床の間などに飾られた丸餅です。
そこに神様の元旦から二十日まで、神様のお力が入られます。
神様の世界には、太陽系(日)の神様と月系統の神様がいらっしゃいます。
その両方の神様のお力が合わさることにより、新しい力がそこから生まれ、そして昼と夜、陰と陽の両方に神様のお力が、あまねく行き渡るようになります。
鏡餅には、そのお力が込められています。
「数」にも、大切な意味があり、「十」という数は、「神様」を表わし、「二十」は「二重の」という意味があり「神々様」を表わします。
(詳しく知りたい方は、講演会などにお越し下さい)
十日までお供えして、十一日に鏡開きをしてしまうと、その片方の神様のお力しか頂くことが出来ません。鏡餅の上のお餅には、太陽(日)の系統の神様のお力が、下のお餅には、月の系統の神様のお力が入られます。
ですから二十日までお供えして、二十一日に鏡開きをして下さい。
しかし、いきなり木槌で、鏡餅を叩き割ることをしてはダメです。そんなことをしたら、鏡餅に込められたお力を頂くことは出来ません。
そしてその鏡開きは、一家の誰がしても良いのでは無く、「家長」(社長)が行ないます。その人が行なわない限り、神様からその力を頂くことが出来ません。
家長(社長)となる方は、鏡餅に込められた神々様のお力を頂き、さらにご家庭や会社内をいかなる時も、明るく照らし、統率することが出来る力を発揮していくためです。
中心があって、秩序も保てれば、組織も整います。
宇宙の法則を見ても、私達の太陽系でも、太陽を中心にしてそれぞれの惑星が巡ります。一家の中でも、「家長」(会社では、社長)となる人が、中心となり家族に力と光りを与えて束ねていくのが、本来の姿なのです。
家長(社長)は、鏡餅の前に正対して、柏手を打ち
「ただ今から、鏡開きをさせて頂きます。家長として(社長として)責任を持って、家族(社長)を束ねていくことが出来る為にもどうぞよろしくお願い致します。」とご挨拶をして、その鏡餅からそのお力を頂くために、気持ちを鎮めて向き合って下さい。
本当の意味で、鏡開きの方法は、言葉だけではお伝えしきれません。直接お会いしてその呼吸をお教えしなければ初めての方は、出来にくいかとは思いますが、少なくとも謙虚にそして真剣にそのつもりになってご挨拶して下さい。
どうぞ良い一年にして下さい。
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