第44話 一年の祈願 祈年祭
神様に、一年のお願い事をするのは初詣の時と思っておられる方が多いと思いますが、お正月は新年のご挨拶に止めて、一年の大切なご祈願は、二月に祈年祭(きねんさい あるいは、としごいのみまつり、)と言って、一年の大事な祈願をする時があります。
伊勢神宮では、二月十七日に祈年祭をなさいますので、一般の神社でもそれに習って十七日にすることが多いようです。
私の所では、二月二十日から、月末までの良い日を選んでとお伝えを頂きましたので、その間の日曜日に執り行うようにしています。
祈年祭は、11月の新嘗祭(一般には、勤労感謝の日)と対になっています。
つまりお願いをしたら、そのご報告と感謝を申し上げる事が、大切ですので、祈年祭に出席して祈願をしたら、新嘗祭にも出席することが前提になります。
この年一年どんななことを叶えたいのか、はっきりしましたでしょうか。そしてその為のご計画は出来ましたでしょうか。神様に、何をお願いしたいのかがはっきりせず、「何でもいいから、最高に幸せになりますように」では、神様もお困りになるはずです。
幸せの感じ方は、人それぞれに異なり、神様が「この人にとって、これが最高の幸せ」ともし与えて下さったとしても、それが成就するためには、それだけの鍛えが必要なことが少なくありません。ですから、その気持ちになっていない方にとっては苦痛なだけと言うことにもなりかねません。たとえばオリンピックの選手でも、それに出たいと思う人だから、一日の大半を厳しい練習にも耐えることが出来るのです。
ですから「自分は、何を成就したいのか」「そのための計画は、こう」ということが、絶対に必要なのです。
さらに「願いが叶った後、どうするのか」ということが、神様が願いを聞き届けて下さる大事な決め手になります。
たとえば「病気が治りますように」「命が助かりますように」と願い出たときに「では健康になったら、あなたは、何をするつもりか」と神様から問われているはずです。そのお言葉は、直接聞くことが出来ないかとは思いますが、その時に「泥棒をします」「振り込め詐欺をして、お年寄りからごっそりとお金をだまし取ります」と答えたらどうでしょうか。
「今年こそ、結婚が出来ますように」「良い人に巡り会えますように」と願い出たときも、「どんな結婚生活を築きたいのか」と必ず問われています。その時に「女なら(男なら)誰でもいい」「タダで使える召使い代わりに」と答えたとしたら、「そんなことなら、神の預かるところに非ず。もっと家族になる人を大切にする心になってから、参るがよい。」と即座にご返答頂いているはずです。
皆さんは、ご祈願したら成就するまで分からないと思っておられると思いますが、本当は「ご祈願と同時に、神様からはご返事が出られている」のです。
「即座にも叶う」場合と、「これこれを成し遂げたら、叶うであろう」とご回答が出られる場合と、「その願いは叶えるわけには、まいらぬ」あるいは「そなたにそれは不向きだから、別の進路(あるいは仕事など)を考えよ」と断られてしまう場合などに分かれます。
神様にお願いしても、それは単なる気休めと思ったら大間違いです。
本当に神様はいらっしゃり、真剣に願い出て、それが神様のご意図に叶うことであれば、成就の為のお力を加えて頂けるのです。
祈年祭をご存知の方は、まだ少ないかもしれませんが、今月はそうした大事な一年の祈願が出来るみ祭があるのです。
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