第53話 神様の世界の謎 天照大御神様
日常生活において、疑問を疑問として放置してしまうと、真実に気がつきにくいと思います。むしろ私は単純ですから、いろいろな疑問を持ちます。
神様の世界においては、たくさんの謎とされることがありますが、その中でも天照大御神様は、「日本の中心の神様で、伊勢神宮に鎮座しておられる」と言われたり、「太陽神」と呼ばれたりすることに、大変疑問に思っていました。
「日本の中心の神様」ということでは、昔から「一生に一度は、伊勢参り」と言われ、徒歩で旅する時代には、何ヶ月もかけて全国から大勢の人がお参りしていました。
そして各ご家庭の神棚でも、天照大御神様のお札が真ん中に祀られています。毎年暮れになると、近くの神社から天照大御神様のお札とご一緒に、その神社のお札が配られてきます。地元の神様がどなたであろうとも、日本の中心の神様として天照大御神様のお札を真ん中にお祀りしているのです。
そして伊勢神宮は、二十年に一度式年遷宮(神様のお社を新しく作り替えて、お移り頂く儀式)が行なわれています。
他方天照大御神様は、「太陽神だ」とも言われます。
天の岩戸の物語などでは、「太陽の神様である天照大御神様が、天の岩戸にお隠れになられたために、地上は突然真っ暗になってしまいました。」そして「暗闇に紛れて悪いものが大勢騒ぎ出しました」と言われています。
そして「天照大御神様が、岩戸からお出ましになられた瞬間に、周囲は以前のように明るくなりました。」とあります。
つまり「日本の中心の神様で、伊勢神宮に鎮座している神様」と「世界中を照らす太陽の神様」の二つの面をお持ちだということです。
私は、実は長いこと、なぜだろう、可笑しいなと思っていました。「太陽神なら日本の神様というより、世界中の神様の筈だ。太陽は世界中を照らす筈なのに、何故、日本の神様と言われるのだろうか。太陽神なら、世界中どこも照らしているではないか」と。
それなのに天照大御神様は太陽だと言ってみたり、伊勢神宮に鎮座すると言ってみたり、良く分からなかったのです。
あるとき、私が大神様に逆の意味で質問をさせていただいたのです。「大変恐縮でございますが、天地創造に付いてお伺いをさせていただけますでしょうか」と申し上げたら、『そなたの尋ねる天地創造とは、大宇宙の天地創造のことか、それとも地球の天地創造のことか』と反対に聞かれたのです。つまり『この地球が誕生した時のことか、大宇宙が出来た時のことか』と、逆に聞かれたのです。
それで、「え!」と思ったのですが、その瞬間に全てのこと分かったのです。「あー、神様の世界には大の関係と小の関係がおありなのだ」と。
そういえば古事記の最初に、「天御中主神様は、独り神にして、お姿をお見せになられなかった」と書いてあるのです。天御中主神様は、地球担当の神様であると同時に、銀河系の神様だと言われています。
天照大御神様は日本担当の神様であると同時に、太陽系の中心の神様だから、太陽は毎日拝むことが出来るけれども、銀河系の神様である天御中主神様は見る事が出来ないので、お姿をお隠しになっておられる。要するに「
お姿をお見せになられなかった」という表現になったのではないでしょうか。
従って天照大御神様は大の関係では太陽神であると同時に、小の関係では日本担当の神様でいらっしゃるのだと言うことに気がつきました。大事なのは、大神様から逆に「そなたの尋ねる天地創造とは、大宇宙の天地創造のことか、地球の天地創造のことか」と言われ、神様は地球の事を「ちだま」と仰いますが、それだけのことで、全部理解出来るのですよ。閃いてくるわけです。
神の世界は、大と小という二重の関係になっている。その辺が自分が求めに求めて、常にピーンと張り詰めていれば、そういった事まで解けるのだということです。それが大事なのではないかなぁと思うのです。逆に質問されて、それで謎が解けたのです。
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コメント
はじめまして。大変興味深く読ませていただきました。天照とは何者であったのか、私も関心があり調べています。本文の中にあります、大の関係、小の関係、の意味がよくわかりませんでした。恐れ入りますがわかりやすくご説明いただけますと、大変ありがたいです。よろしくお願いします。
投稿: HK | 2016年5月 3日 (火) 23時44分