第67話 見直し・聞き直し・言い直し その3
伊邪那美の神様が先にお声をかけた、お声をかけたのは女性からだったということでした。その過ちを教えて頂いて、もう一度声をかけ合うことをやり直しました。今度は男性である伊邪那岐の神様からお声を掛け、続いて伊邪那美の神様もまたお声掛けをして、今度はよい結果が出ました。これは「言い直し」をされたということになるのです。
間違った時は、まず見直してみる。それでわからぬ時は聞き直す。そしてはっきりと言い直しをする。「自分はここが間違っていました。だからここをこういうふうに改めます」ということをはっきりと言うことです。
「『見直し、聞き直し、言い直し』ということが大事ですよ」ということを、この神話は教えていたのです。ただの単なる神話だと思って読み過ごしたのでは、こういう教えを受け取ることは出来ません。
ここからです、皆さんにとって大事なことは。まず、現代社会において、「神話を知る」ということが大事なのではなくて、どう日常生活に活かしていったらいいかということです。
世の中がおかしい。自分の体もおかしい。自分の子供さんとか家族の人も具合が悪い。あるいは会社がうまく行かない。こういったことはすべて「見直し、聞き直し、言い直し」をする対象です。
伊邪那岐・伊邪那美の神様は、見直し、聞き直し、言い直しをされたら、すぐに良い御子さんがお生まれになった。ところが私達の世界は、何ですぐに良くならないのでしょうか。
もっとも、すぐ良くなる方もいらっしゃる。実際にすぐ良くなります。お願いと同時に叶うような人がいる反面、他の方は何で「すぐに」というのが出にくいのでしょうか。私も、それが疑問だった時期がありました。あなたは、どう思いますか。何が原因だと思いますか。
「見直し、聞き直し、言い直しをせよ」というこの部分には、何ら変わりはないのです。それなのにどうしてなのでしょうか。
まず、この見直しの所で、自ら省みる、どこが悪いんだろうかという気持ちを持つという事が大事なのです。そうでしょう。まず自分で反省する。
ところが世の中全体はどうかと言いますと、自分が悪いとは思っていない。「世の中が悪い、社会が悪い、あの人が悪い」と、こう思っているのです。自分が悪いとは絶対に思わないのです。
おそらく政治家の方などは、そう思っているのではないでしょうか。こういいますと、だれも「そうだ、そうだ、今の政治家はみんな悪い!どこも期待はずれだった。」といわれるかもしれませんが、それではあなたも、政治家と同じように「世の中のせい、誰かのせいにしている一人」になってしまいます。それでは自分自身も変わることが出来ないのです。
ですから、それをご自分のご家庭に置き換えてみて下さい。亭主が悪い、相手が悪い、女房が悪いとこう来ますね。あるいは子供が悪い。子供心には親が悪い。お互いに相手が悪いと思っている。自ら自分で省みようとしない。ここが根本的に違うのです。ここのところで、すぐには効果が出ないのです。
言葉だけ「見直し、聞き直し、言い直し」ということを幾らお教えしても、効果は出にくい。何故かと言いますと、自分のせいだとは思っていませんから。世の中が悪いんだよ、政治家が悪いんだよ、と思っている訳ですから。
まずここから切り替えて、自分の身の回りでうまくいかないこと、何とかしたいと思っていることをまず一つ取り上げて、何が原因なのか(これを人のせいにしないで)見直してみて下さい。
すぐに効果の出る人は、実は皆こういう見直しが出来るようになっています。
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