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2012年7月16日 (月)

第66話 見直し・聞き直し・言い直し 

 さらによくよく注意をして見てみますと、古事記では伊邪那岐の神様は「あなにやしえをとめを」と言い、伊邪那美の神様は「あなにやしえおとこを」と言ったことになっておりますが、秀真伝(ほつまつたえ)では伊邪那岐の神様は「あなにゑや 美し少女に会いぬ」と言い、伊邪那美の神様は「わなにやしうまし男に会いき」と言われたことになっています。

 この最初の言葉が、古事記ではどちらも「あ」であるのに対して、秀真伝では伊邪那岐の神様の場合は「あ」ですが、伊邪那美の神様の場合は「わ」になっています。「あ」は「天」を意味し、「わ」は「大地」を表すのです。また「あ」は「男性」を表し、「わ」は「女性」を表します。

 ですから、秀真伝の別のところには、男女の交わりについて、「女性は大地として天を仰ぎ、男性は天として大地に向かって」交わるようにという部分があります。「あわ」として、「天地」と「男女」を表しているのです。

 男性は天、女性は大地を表すということで、女性は大地から天を仰ぎ、男子は天から大地を見よということで、これが男性と女性の正しい結び合わせ方なのです。だから、女性が上を向いて、男性が上から下を向く。こういう結びで子供が産まれまるということです。最近はいろいろ好き勝手な形を取って快楽に耽っているようですが、神様の教えはそうではないのです。

 男性は上から下、女性は下から上を見上げるという形で結ばれるのがよい、こういうことまで全部神様の教えの中に入っているのです。

 こうした点も、古事記だけでは理解出来かねるところです。これは正しく言い直された方のことを先に述べましたが、ここのところも最初は伊邪那美の神様は「あなにえや、ゑ男」と言い、伊邪那岐の神様は「わな嬉し、ゑ少女(おとめ)」と言われたのです。このように伊邪那美の神様が「わ」と言うべきところを「あ」と言い、伊邪那岐の神様が「あ」と言うべきところを「わ」と言ってしまっていたのです。

 「あ」と「わ」が入れ替わっていたのです。これは天と地がひっくり返ったことを意味します。天と地がひっくり返ったのですから、正しい子供が出来る訳がないのです。これが三番目の間違いです。

 そして四番目には、男性のものと女性のものが反対になっていたということです。「あ」というのは天と共に太陽をも指し、男性が太陽にたとえられるのです。先程も申し上げましたが、日の精霊と書いてこれを「うる」と読み、「日精(ひうる)」と言います。女性は大地と共に月をも指し、女性が月にたとえられるのです。月の精霊と書いてこれを「なみ」と読み、「月精(つきなみ)」と言います。

 要するに、男性である伊邪那岐の神様が、魂として月精(つきなみ)という女性のものを受けてしまい、女性である伊邪那美の神様が、魂として日精(ひうる)という男性のものを受けてしまったのです。この点においても、正常な子供が得られないということになります。これが四番目の間違いです。

 そうして五番目に、回り方をも間違えたということです。男性が左回り、女性は右回りでなければならないのに、これを逆に回ったのです。

 この点も古事記では省略されています。女性から先に声をかけたのがいけなかったのだという一点だけに絞ったものですから、他の四つのことは全部正しいものとして書いていますが、実際にはこれだけの過ちをしていたのです。

 男性の方が左から、女性が右から回ること。そして出会った所で言葉を交わす。それも男性から声をかけなければいけないのに、女性から先に声をかけてしまった。また掛けた言葉が「五四調(いよのしらべ)」になっていた。さらに言葉のかけ方が「あ」と「わ」を入れ替えていた。そのために天と地が入れ替わってしまっていた。その為に、受けるべき魂についても、男性は太陽になぞらえて日の精霊、女性は月になぞらえられて月の精霊を受けるべきところが、逆になってしまったという。こういう五つの間違いがあったのです。

 ここで大事なのは、最初に申し上げたように、まず間違っていた時には、どこが間違ったのかという『見直し』をすることです。自分自身が反省をすることが大事ですよ、という教えです。

 神様でさえ間違いをされることがあるのですから、まして人は、一つの間違いもせずに人生を過す事など出来ないはずです。だからこそ失敗したその時にどうするかということが大事です。

 間違いを間違いのまま、放置してしまっては、先に行くほどその問題は大きくなったり、同じ過ちを何度でも繰り返すことになってしまうからです。

「仏の顔も、三度まで」という言葉がありますが、神様も人の(同じ)失敗は、二度まではお許し下さっても、三度目は大変に厳しい目でご覧になられます。

よく失敗をすると、「すみません」「ごめんなさい」と頭を下げて、ひたすら嵐の収まるまで待つという人がいますが、「なぜ、その失敗をしたのか」「それを繰り返さないためには、どうしたらいいのか」の見直しや気づきがないと、何度でも同じ事を繰り返してしまうとは思いませんか。

 

 だからこそ、失敗をしてしまったときには、まず『見直し』をする。そうしていくら自分で考えてみてもわからない時には、親や先生や上司や先輩等信頼の置ける人に聞きなさいということで、次は『聞き直し』をする。ですから、伊邪那岐・伊邪那美の神様も高天原へ行って、高御産霊神様にお伺いをされたのです。

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