第75話 お彼岸のお中日と皇霊祭の意味
お彼岸のお中日は、春・秋それぞれ春分の日、秋分の日といい、昼と夜の時間が同じ日だといわれています。そしてその日を境に、日一日と、昼が長くなる、あるいは夜が長くなっていきます。
「太陽は、東の空から昇る」と言われますが、季節によって水平線、地平線から顔を出す位置が大きく変化し、真東から昇るのは、この春分・秋分の日だけです。ですから「この日は、太陽と東西南北の方位がぴたりと合う日」ということになります。
そこで神道では、この日に春季皇霊祭、秋季皇霊祭という御祭を行います。
太陽の神様である天照大御神様の直系の子孫としての歴代の天皇様の御霊を通じて、神様に通じる日なのです。
その日には、まず歴代のご皇霊(歴代天皇の御霊)に遙拝(ようはい)をした後に、それぞれのご先祖様のお供養を致します。
この御皇霊への遙拝には、深い意味があります。
お彼岸の中日に、歴代のご皇霊に対し、ただ「御霊安かれ」とお祈りをするだけではなくて、皆さんが歴代のご皇霊に心を向けることによって、繋がるものがあり、それによって電流が流れるように、歴代天皇様を通じて神様から頂くものがあるのです。それは、皆さんの魂の中心部分に入れて頂くものです。
これは、自分だけではなくて、自分を通じてご先祖の方々も受けることが出来るものです。今は、本家、分家という繋がりは、大変に希薄なものになっていますが、人は一人だけで生きているのでもなければ、一家族だけで生きているのでもありません。
やはり自分から、家族へ、家族から一族へという繋がりの中で、支え、支えられて生きていくことで、一人だけではとうてい出せない力に守られることになります。
親戚間のおつきあいというのは、時に面倒なこともありますが、血のつながりというのは、言葉では言い尽くせないほどの強い絆でもあり、ましてその背後のご先祖様に通ずることで、肉体的な血の繋がりだけでなく、さらに霊魂としての絆も、強まることになります。
やはり中心の本家筋より、また分家であっても分家の中心より最終的には本家に通じるようにとの思いで行って下さい。そうすれば本家に通じたものを更にその大元の本家を通じて、やがて神様の所にまで通ずることが出来るのです。
さらに家筋の途中で養子、養女という形でやむをえず本来の血と霊(肉体的なものと霊的なもの)が異なった場合であったとしても、家筋として繋いで下さる時でもあるのです。
お彼岸の中日には、以上の意味合いをも含みます。
* お彼岸の間・皇霊祭に、両手を合わせる意義について
皇霊祭のあるお彼岸の中日は、春分・秋分の日でもあり、この日は昼と夜の長さが同じということで、左右対称です。
一方、身体の方におきましても、前後とか左右という捉え方があるのですが、この身体のバランスも、昼夜が均一であるように全体を均一にして下さる日でもあります。
殊に、皇霊祭ということで、大元に近づく日でもありますが、お彼岸期間中にそうした全部を正して下さり、中心に心棒を入れて頂けるのです。
この日は、しっかりと手を合わせることに格別の意味があります。これは、両手の五本の指と指も全てピッタリと合わせ、掌に隙間があかない迄に合わせます。
このように手を合わせることによって、頭上から頭の両側、こめかみの方にまで光が入って来て、頭が大変冴えてまいります。更には、この時に人の身体の真ん中から筋が出来て合わさる感じがあり、両側から素晴らしい神様の光が入って来て、左右のバランスが正されるのです。
お彼岸の期間中であり、春分・秋分の日には、特にそれが中心となるということです。
左右の手を合わせることによって、正せるものはほとんど正せるようですが、お彼岸期間中毎日、一日一日積み重ねることによってということのようです。
また、ぴたりと中心に合わせることにより、肉体的にも、霊的にも、中心へ繋がるものを頂くことが出来るのです。
どうぞご先祖様から神様に繋がる、良いお彼岸をお過ごし下さい。
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