第74話 お彼岸についてのご質問に答えて
九月は、お彼岸の月でもあります。
ご命日やお盆、お彼岸は、亡くなられた方を忍び、ご先祖の方と心通わす日本の昔から伝わる伝統です。
日本にこうした伝統が長く受け継がれてきた中には、日本人は昔から人は亡くなっても、その霊魂は生き続けているということを自然に感じていたのではないかと思います。
亡くなられた方との思い出を忍び、「ありがとう」「一生懸命育ててくれたのに、ろくな親孝行も出来ずにごめんなさい」など、自然に語りかける気持ちとともに、「あの世でも、元気で過していて下さい」と自然にそういう思いになる方も多いと思います。
今年のお彼岸は、九月十九日より二十五日までの、七日間です。亡くなった方があの世から出てこられる時は、一年の中で、ご命日と、春、秋のお彼岸、そしてお盆の時の年四回だけといわれています。
お盆の時は、迎え火を焚いて家のお仏壇の所にお迎えをし、お彼岸の時にはお墓にお参りをして、ご先祖様のご供養をさせて頂きます。
今回はお彼岸の話ですので、お彼岸について昔から言い伝えられている言葉の意味なども含め、皆さんからよく聞かれるご質問にお答えする形でお話をしたいと思います。
【Q】
お彼岸入りの前に準備しておいた方が良いことは?
また、お彼岸入りには「入り花を折らぬ」と俗に言われていますが、どういうことなのでしょうか?
【A】
本来は、お彼岸になってからお墓の掃除などをするのではなく、お彼岸には先祖の方々が皆お墓に戻られるため、その前日までに掃除を終えて、花を供えて待つ程の心掛けが望ましいということです。
しかし、都合によっては前日までに出来ないこともあるでしょうから、当日でもかまいません。
要は、先祖に対する供養の心が大事であるということを言っているのです。
お彼岸期間中は、出来る限りお墓参りをされるとよいです。近くの方でしたら、毎日でも参られたら良いくらいです。
お墓が遠方にある方は仕方ないのですが、それでも日頃のご無沙汰を詫び、心より供養をなさって下さい。
【Q】
お彼岸のお墓参りは、何時頃行けばいいのでしょうか?
【A】
お墓参りは朝が一番良いので、なるべく午前中に行くのがよいでしょう。
やむを得ず午後に行く場合は、四時までに終えるようにして、四時を過ぎては行かないようにして下さい。これは、墓地で迷っているいろいろな霊に縋られるのを避ける為です。
なお、墓地に赴く時には、ご神紋をお持ちでしたら、身につけて行くようにされた方が無難です。
【Q】
お墓にお供えしたお下がりを、頂いても良いものでしょうか? 子供が、お下がりを食べたがります。
【A】
お彼岸中は、お彼岸饅頭を供えたりする地方もあり、お子様などはそういう物を食べたがりますが、お彼岸の時期というのは、あの世の霊層界でいうところの餓鬼・畜生・修羅の世界の人達がいっせいに皆出て来ており、霊的で目には見えなくても、そういうものがガツガツして食べたお下がりを食べることになりますので、食べないで下さい。
これは、お盆の場合も同じで、お盆は地獄の人達までが来る訳ですから、お位牌に御供えした物であっても、もったいないようですけれども、食べずに処分して下さい。お子様には、同じ物を別にご用意してあげて下さい。
お位牌にお入りになっているご先祖様は、ある程度高い方々ですので、普段はお下がりを頂くことが出来ます。
しかし、墓地のお墓の場合には、自分の家筋の先祖以外にも大勢の諸霊がいる所なので、時期に関わらず一切召し上がらないようにして下さい。
また、お墓に御供えした物をそのままにしておきますと、カラスや猫などが食べに来たりしますが、そうしたものだけではなく、目に見えないところでも、動物霊などが寄りついて来ることがありますので、十分~十五分くらい御供えしたら「お下げさせて頂きます」とお言葉掛けした上で、紙やビニ-ル等に包み、墓地にあるゴミ箱などに入れる様にして下さい。
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