第76話 結婚をしたら、伊勢神宮と二見浦にお参りを
二見浦(ふたみがうら)の興玉神社(ふたみがうら)は、海の中に見える夫婦岩(めおといわ)が有名です。大きな岩と、小さな岩の所にしめ縄が張られ、5月から7月の間は二つの岩の間から朝日が昇り、拝むことが出来ます。また天候に恵まれた時には、海の彼方に富士山も拝める場所でもあります。
一般的に、海中の二つの岩は、日の大神様を拝むための鳥居の役目をしていると言われていますが、夫婦岩には、まさに夫婦としてのとても大切な意味も含んでいます。
二見浦の夫婦岩は、『大小の岩を二つ見ることが出来るから二見』なのではなく、『結ばれた男女が、二人でご一緒に見るから、二見』と言うのです。
夫婦岩は、満潮の時には二つの別々の岩の様に見えますが、干潮の時には岩の一番下まで海の水が引き、海の下の大地として一つに繋がっているところを見ることが出来ます。
それは結ばれた男女の姿でもあります。二つに分れているように見えても、水面下、大元の魂はしっかりと結ばれている姿だからです。
男女の肉体的な結びつきだけで、子供が生まれるように見えますが、その時に魂も合体します。そして魂が合体する事で、新しい魂が生み出されるのです。それを産霊(むすび)といいます。
神様のお名前でも、産霊(むすび)というお言葉を含む神様がいらっしゃいます。地球の始りの神様で、地球最高神である天御中主神様(あめのみなかぬしのかみさま)と共に、造化三神と呼ばれるお二方の神様です。
高御産霊神様(たかみむすびの神様)、神産霊神様(かみむすびの神様)とお呼びします。
生まれてくる子供も、外見は全く同じに見えますが、単なる肉体だけの結びつきで生まれる子供と、魂の合体をも伴って誕生する子供に分れます。そこに結婚式の持つ重大な意味があるのです。産霊(むすび)の力を授ることが出来るからです。これは神様の前での結婚式のことです。どんなに豪華な披露宴をしても、神前の結婚式をしていないと意味がないのです。
新婚旅行は、海外に行かれる方が多くなりましたが、新婚旅行そのものでなくても、ご結婚後に伊勢神宮と二見浦の興玉神社に、お二人で出かけられ、ご結婚のご報告を神様にすると共に、改めてお二人の愛を誓い合ったらよいと思います。
二人で並んで朝日の昇るさまをご覧になると、左右に動いても、海面上の朝日は、どこまでも同じように動いて見えます。ここにこそ、神の道に繋がる奥儀があるのです。
そこで男性は、「この女性を、永遠に愛することを誓い」、女性は、「(欠点も含めて)夫の全てを喜びを持って受け入れます」と誓うのです。ご一緒に生活していると、良い面ばかりではなく、互いの欠点も目につき、時にはけんかや、仲違いをしたり、相手を責めたり、心が離れたりする時もあるかもしれません。
そんな時こそ、この時の『二見の誓い』を思い出すのです。
ただ肉体だけでの結びつきではない、再び朝日が昇るときのような希望や復活が出来、優しい気持ちもなれます。
伊勢の道は、もともと『夫婦和合の道』とも言われています。イモヲセの道から、妹背(イモセ)の道、イセの道、伊勢の道と言われるようになったのです。
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