第83話 和歌について
五・七・五・七・七で歌う、和歌は、今はこの字を使っていますが、最も盛んだった頃は「若」だったのです。これは若返る方法です。若々しいとか、若返るのです。
ですから平安時代などは、恋愛をするのはみんな歌詠みをしてお互いに交換しました。源氏物語にも、こうした恋の歌のやりとりがたくさん出て来ます。
和歌の、「五・七・五・七・七」は、足すと三十一という数になります。
ですから三十一文字(みそひともじ)と言います。
そして神様の世界でも、この三十一という数字を大事にしています。これは宇宙の運行、太陽のまわりを回る地球の軌道などにも関わりのある話ですので、このご説明は別の機会にしたいと思いますが、この和歌には、神様に通ずることも出来る(どんな歌でもいいと言う意味ではありませんが)大事な意味が込められています。
ただ恋の歌や、普通の時には、三十一文字(みそひともじ)で良いのですが、大祓の時だけは、これにもう一文字加えて三十二文字(みそふたもじ)にして詠います。
天照大御神様のお妃向津姫(ムカツヒメ)、この方が歌った歌が残っております。
種(たね)果(は)たね
産(う)むすき盛(もり)の
無病(まめ)素目(すめ)らの
ゾロ葉も葉芽(はめ)ぞ
虫も皆鎮(し)む
こういう歌が詠まれているのです。まめすめらのところが六文字になっているのです。三十二文字です。
伊勢神宮の近くに、伊勢の別宮として「伊雑の宮」というところがありますが、かつてそこの周辺が、イナゴの大群に襲われました。天照大御神様が御留守の時だったので、奥様が最初は自分一人で歌っていたのですが、中々のイナゴの大群がいなくならないので、そこでお伴をしていた全ての神々がブワァーと一斉に言ったら、飛んで行って居なくなったといいます。 だから皆さんも、大変な時は、一人でやるよりみんなでやった方が効果が抜群なのです。
東の側に立ってやったから、イナゴの大群が西へ向かって行ったという、そういう話が残っております。ですから祓いをするときには、三十二文字でやると良いと言われています。