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2012年12月 3日 (月)

第84話 食は、人を良くする

食べ物には二つの面があります。肉体を養うためのものと、精神いわゆる心とか霊魂を養うという面があります。

ご家庭のお母さんが、子供さんのために「元気で育て」「逞しく育て」「今日も元気に過ごせますように」という思いを込めて作られた食事は、肉体としての栄養や成長に必要なものだけでなく、精神や心も「母の愛情」という栄養が入っているはずです。

「食」という字は、「人を良くする」と書きます。

親子の絆とはなんで結ばれるのでしょうか。胎内にいるときには、お母さんと臍の緒を通じて繋がっていますし、誕生した後も、毎日の食事を通じて肉体と精神の両方からお母さんから栄養を貰って育つ。肉体としては別々の身体になったとしても、目に見ない親子の絆が繋がっているわけです。

しかし「あー、今日も食事を作らなくちゃならないわ」「面倒くさいな」と思いながら作ったものは、その栄養が入っていない、形だけのエサにしかならない。どんなにお腹いっぱいになったとしても、心が満たされないと、大人でも次々に食べ物を口に運んでしまうか、人や物に当たり散らすということが起きてしまいます。子供さんならなおのこと、「荒れる」ということが起きても不思議はないです。

人は動物ではないのですから、腹を満たす食べ物の中に、心や精神を満たす真心とか愛情が必要なのです。だいたい腹を満たすだけのものをエサとして食べ続けていると、段々と考え方まで動物的になってしまいます。

よく料理の本などで、たくさんの種類のおかずを作れなければいけないように誤解している人もいるかと思いますが、まずは心を込めた美味しいご飯にお味噌汁、出来ればお漬け物や梅干しなどで十分です。

まず基礎を固めてから、それに加えていくと言うことですね。
基礎とはご飯を炊くときに、家族の健康や成長を思う心をそこに込めると言うことです。

大事なのは「思いを込める」ということです。めんどくさいのに、この子さえいなければというふうな思いは、逆に絶対に持って頂きたくない。人には波があるし、時には食事を作る時間すらないようなこともあります。ですがそんな時でも、家族の健康を願い心、子供さんの成長を祈る心は、瞬間にも込められる物なのですから是非なさって下さい。

ちなみに「おにぎり」と「おむすび」は、の違いをご存知でしょうか。
どちらも同じだよ、ただ言葉だけが違うのだろうと思われるかもしれませんが、
大きな違いがあります。

「お結び」というのは、作る人と食べる人の間を結ぶものです。「おにぎり」でも良いではないかと言われそうですが、やはり作った人と、食べる人を結ぶもの、「これで力を付けて下さい」「今日も頑張って」「お疲れ様」といった真心を込めて、それを互いの絆としての「結び」にして欲しいと思います。

改めて言われないと気付きにくいようですが、食べ物には肉体の栄養としての面と、心や精神の栄養としての二つの面があるのですから、どうか心や精神の栄養も込めて食事をご用意して頂ければと思います。

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