カテゴリー「神道」の記事

2013年6月24日 (月)

第90話 ご利益信仰は避けよ 

「ご利益信仰は、良くないですよ」とお話ししますと、ほとんどの人が不服そうな顔になります。言葉にこそ出しませんが、心の中で「神社に行くのに、ご利益を求めないで、なにをしに行くのか」と思われるようです。

しかしご利益信仰というのは、「ご利益があるなら信じるよ」「ご利益を求めて、神の前に行くよ」ということで、「神様の日ごろの恵みに感謝する」ということが抜けがちになるのです。

「感謝の気持ちがあって、はじめて神様の支えに乗れる」と言われますが、その感謝の気持ちが無くて、「これを叶えてくれ」「何かご利益をくれ」とだけ思って信仰もどきをすると、それは神様に合う波長と言うよりも、動物霊のようなものと波長が合いやすくなります。

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2013年1月28日 (月)

第89話 必勝祈願、合格祈願の、コツ

試合などの必勝祈願、受験の時の合格祈願のコツは何かというと、ずばり「それまでに、実力を身につける為の努力を惜しまないこと」と「謙虚に、そして真剣に神様にお願いすること」の両方です。

その上で、「どうか、今までの努力が実を結びますように」「どうか、実力を十二分に発揮させて頂けますように」そして「どうか、合格させて頂けますように」とお願いするとよいと思います。

どんなにその時になって真剣にお願いしても、ご祈祷料などを山と積んだとしても、その前に何の努力もしていない人が、たまたま神様の前にお願いに来たからといって、その人を合格させたり試合に勝たせたりしては、あまりに努力してきた人から見て不公平というものです。

もしあなたが、何年間か一生懸命に学んでいた時に、何の努力もしない人が「神頼み、一発」で、簡単に合格してしまい、(自分がその代わりに落とされたら)以後、「私も、まじめに努力することをやめます宣言」をしたくなるはず。

だから神様は、えこひいきは、決してなさらないはずです。
神様が喜んでお力をお貸し下さるような自分になること。神様にお願いするときには、自分もそのお願いを通じて磨かれるというのでしょうか。

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2013年1月21日 (月)

第88話 伊勢神宮 外宮先拝・外宮先祭の意味

伊勢神宮には、内宮と外宮があります。「どちらから先にお参りしたらよいのでしょうか」と尋ねられますが、これは外宮から先にお参りをする方が良いとされています。

本来は、外宮先拝(げくうせんぱい)・外宮先祭(げくうせんさい)と言って、内宮より外宮の方から「先に拝みます」それから、「先に、外宮から祭りごとをします」と言われているからです。

この外宮先拝・外宮先祭ですが、その理由を「それは、なぜでしょうか?」とお尋ねしても、「昔からの仕来りでそうなっている」のだと言われます。

「なぜでしょうか」という疑問が生じるのは、日本の中心の神様である天照大御神様は、伊勢神宮の内宮にお祀りされているからです。そして外宮に祀られている神様は、豊受神様といって、天照大御神様のお食事を担当しておられる神様だからです。

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2013年1月14日 (月)

第87話 大寒と禊ぎ

お正月を過ぎると、5日頃に二十四節気の「小寒」20日頃に「大寒」があります。今年は20日が、大寒です。

この時期は、「寒の入り」と言われ、一年の中で最も寒い時期です。それを乗り切るために、剣道などでは「寒稽古」で身体を鍛えます。神社などでもこの日に、褌一枚の裸になって冷水を浴びる「大寒禊ぎ」をして、無病息災を祈る行事があります。関東では、鹿島神宮などでしています。

実は、大寒の時には、特別に修行をしている方だけでなく、本当はどなたも、身を清め、心を整える禊ぎをされたらよいと思います。一年の中で、特に必要な日だからです。

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2012年12月10日 (月)

第85話 暮れに、しめ縄を取り替える時には

しめ縄の意味というものは、一つは結界を表すということと、もう一つは聖域を表すのです。神様の居る神聖な場所という聖域を表すということです。

普通の家の神棚は、大体九十センチか、百十センチのものが多いと思いますので、しめ縄は三尺か四尺のものになるかと思います。
新年を前に、青々としたしめ縄に替えますと、新しいしめ縄独特の香りがして、これで新しい年を迎えるのだという清々しい気持ちになります。

しめ縄は暮れの二十五日過ぎ頃に、駅の前などに露天が出たり、最近ではスーパーなどでも買えるようになりました。しかし残念ながら、中まで藁で出来ているしめ縄を探すのは、結構苦労します。では何で出来ているのかと思われるかもしれませんが、プラスチックのストローのようなものを芯にして作られたものが結構多いのです。

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2012年12月 3日 (月)

第84話 食は、人を良くする

食べ物には二つの面があります。肉体を養うためのものと、精神いわゆる心とか霊魂を養うという面があります。

ご家庭のお母さんが、子供さんのために「元気で育て」「逞しく育て」「今日も元気に過ごせますように」という思いを込めて作られた食事は、肉体としての栄養や成長に必要なものだけでなく、精神や心も「母の愛情」という栄養が入っているはずです。

「食」という字は、「人を良くする」と書きます。

親子の絆とはなんで結ばれるのでしょうか。胎内にいるときには、お母さんと臍の緒を通じて繋がっていますし、誕生した後も、毎日の食事を通じて肉体と精神の両方からお母さんから栄養を貰って育つ。肉体としては別々の身体になったとしても、目に見ない親子の絆が繋がっているわけです。

しかし「あー、今日も食事を作らなくちゃならないわ」「面倒くさいな」と思いながら作ったものは、その栄養が入っていない、形だけのエサにしかならない。どんなにお腹いっぱいになったとしても、心が満たされないと、大人でも次々に食べ物を口に運んでしまうか、人や物に当たり散らすということが起きてしまいます。子供さんならなおのこと、「荒れる」ということが起きても不思議はないです。

人は動物ではないのですから、腹を満たす食べ物の中に、心や精神を満たす真心とか愛情が必要なのです。だいたい腹を満たすだけのものをエサとして食べ続けていると、段々と考え方まで動物的になってしまいます。

よく料理の本などで、たくさんの種類のおかずを作れなければいけないように誤解している人もいるかと思いますが、まずは心を込めた美味しいご飯にお味噌汁、出来ればお漬け物や梅干しなどで十分です。

まず基礎を固めてから、それに加えていくと言うことですね。
基礎とはご飯を炊くときに、家族の健康や成長を思う心をそこに込めると言うことです。

大事なのは「思いを込める」ということです。めんどくさいのに、この子さえいなければというふうな思いは、逆に絶対に持って頂きたくない。人には波があるし、時には食事を作る時間すらないようなこともあります。ですがそんな時でも、家族の健康を願い心、子供さんの成長を祈る心は、瞬間にも込められる物なのですから是非なさって下さい。

ちなみに「おにぎり」と「おむすび」は、の違いをご存知でしょうか。
どちらも同じだよ、ただ言葉だけが違うのだろうと思われるかもしれませんが、
大きな違いがあります。

「お結び」というのは、作る人と食べる人の間を結ぶものです。「おにぎり」でも良いではないかと言われそうですが、やはり作った人と、食べる人を結ぶもの、「これで力を付けて下さい」「今日も頑張って」「お疲れ様」といった真心を込めて、それを互いの絆としての「結び」にして欲しいと思います。

改めて言われないと気付きにくいようですが、食べ物には肉体の栄養としての面と、心や精神の栄養としての二つの面があるのですから、どうか心や精神の栄養も込めて食事をご用意して頂ければと思います。

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2012年11月26日 (月)

第83話 和歌について

五・七・五・七・七で歌う、和歌は、今はこの字を使っていますが、最も盛んだった頃は「若」だったのです。これは若返る方法です。若々しいとか、若返るのです。

ですから平安時代などは、恋愛をするのはみんな歌詠みをしてお互いに交換しました。源氏物語にも、こうした恋の歌のやりとりがたくさん出て来ます。

和歌の、「五・七・五・七・七」は、足すと三十一という数になります。
ですから三十一文字(みそひともじ)と言います。

そして神様の世界でも、この三十一という数字を大事にしています。これは宇宙の運行、太陽のまわりを回る地球の軌道などにも関わりのある話ですので、このご説明は別の機会にしたいと思いますが、この和歌には、神様に通ずることも出来る(どんな歌でもいいと言う意味ではありませんが)大事な意味が込められています。

ただ恋の歌や、普通の時には、三十一文字(みそひともじ)で良いのですが、大祓の時だけは、これにもう一文字加えて三十二文字(みそふたもじ)にして詠います。

天照大御神様のお妃向津姫(ムカツヒメ)、この方が歌った歌が残っております。

   種(たね)果(は)たね   
産(う)むすき盛(もり)の
   無病(まめ)素目(すめ)らの
   ゾロ葉も葉芽(はめ)ぞ
   虫も皆鎮(し)む

 こういう歌が詠まれているのです。まめすめらのところが六文字になっているのです。三十二文字です。

伊勢神宮の近くに、伊勢の別宮として「伊雑の宮」というところがありますが、かつてそこの周辺が、イナゴの大群に襲われました。天照大御神様が御留守の時だったので、奥様が最初は自分一人で歌っていたのですが、中々のイナゴの大群がいなくならないので、そこでお伴をしていた全ての神々がブワァーと一斉に言ったら、飛んで行って居なくなったといいます。 だから皆さんも、大変な時は、一人でやるよりみんなでやった方が効果が抜群なのです。

東の側に立ってやったから、イナゴの大群が西へ向かって行ったという、そういう話が残っております。ですから祓いをするときには、三十二文字でやると良いと言われています。

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2012年11月19日 (月)

第82話 勤労感謝の日・新嘗祭

11月23日は、勤労感謝の日です。改めて、勤労感謝の日の意味を調べてみました。「勤労を尊び、生産を祝い、人々が互いに感謝する日」と書かれています。

外国の記念日については、あまり詳しくないのですが、外国では、仕事よりもバカンス・レジャーというお国柄の所もありますので、この「勤労」を「感謝」するということが国民の祝日になっている国は、日本の他には少ないのではないかという気がします。

実は「勤労」に対する考え方は、日本の大きな特徴です。

「働く事に、働けることに、感謝する。働く場があることも、働ける健康があることも、ありがたい事だと感じる国民性。しかし、このことが今かなり薄れているように感じます。

「働け!働け!寸暇を惜しんで働け!」の時代から、「よく働き、よく遊ぶ」になり、今は「シブシブ働き、嬉々として遊ぶ」となり、さらには「働かなくても、生活保護」という気持ちの人まで増えてきている時代です。自分一人がどうこうではなく、世の中全体の流れがそうなっていると、それがいいことのように麻痺してしまいます。それでよいのだと。

しかし勝ち残り組は、決してそうではないのです。数は少なくても、「こんなにやるのか」と驚くほど真剣に働いている人はいますし、その結果、良い仕事、良い成果を出して大きく伸びているところもあるからです。

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2012年11月12日 (月)

第81話 七五三の本当の意味

今日は、七五三の大事な意味をお話ししたいと思います。
十一月十五日は、七五三のお祝いの日です。

七五三は、七歳(女の子)・五歳(男の子)・三歳(男女ともに)の時に行ないます。

満年齢か、数え年かとよく尋ねられますが、それはどちらでも大丈夫です。いつも満年齢でお祝いをしている人は、満年齢でされればいいですし、数え年で祝い事をしてきた方は、それでも大丈夫です。ただ数え年と満年齢の両方で二回は出来ませんので、どちらかに決めて行なって下さい。    

三歳は『髪置き』と言います。ようやく髪が揃ってくるという事ですね。そして五歳の時は『袴着』、七歳は『帯解け』と言います。三歳の時は男女共に、五歳は男の子のお祝い。七歳は女の子のお祝いです。

七五三の時に、神社に行くときには、正装していきます。
男の子は、五歳の七五三の時に羽織、袴や子供用のスーツなどを身につけ、女の子の七歳の七五三に、子供用の振り袖やワンピースなどを着てお参りします。

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2012年11月 5日 (月)

第80話 神社参拝の作法 服装について

前話で、「神様の所には、身なりも心も正して立つ」とお伝えしたところ、「家族で旅行の時や、毎朝の散歩の時に立ち寄る時にも服装を正した方がよいのでしょうか」というご質問がありました。

正しくは、そうです。なぜなら神様は、常に正装をしておられるからです。
しかしたとえば農作業をしている方が、作業の前後にご挨拶に行くときなどは、作業着でも少しも失礼ではありません。

また毎朝の散歩の時には、途中汗をかいたりもしますし、背広などは着るのは面倒かもしれません。

ただこの場合は、あなたの心の中で「どちらが主になっているか」が大事になります。健康のために毎朝散歩をする、そのついでに神社にお参りするのか、毎朝、神社にお参りに行くついでに、散歩など健康によいことなどをさせて頂くのか。どちらでしょうか。

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